実は昨日、蔵見学の模様をblogで紹介しようと頑張って書いたのですが、最終的に爆睡。

と言うことで、昨日書いたblogを消すのももったいないので、そのまま使わせて貰います。

ご了承下さい。

さて、今日の大阪も良いお天気の日曜日です。

ちょっとこう言う日は、仕事するの嫌になりますね。

どこかえ、ファ〜ッと飛んで行きたい・・・そんな気分です。

夕方、配達に出来ると、うっすら浮かぶ月発見!!


実は満月も好きなんなんですが、この夕方に、うっすらと浮かび上がる月も好きなんですね。

そして帰りには、絶景の夕焼けスポットで夕焼けを・・・と思ったのですが間に合わず。


もう少し夕焼けが見えるぐらいで撮したかったのですが、もうすでに隠れちゃってました。

でも、十分綺麗なんですけどね。

しかし日が落ちると、やはり随分風が冷たく感じ寒いです。

いや〜ぁ・・・しかし今日は色々と考える事の多い日曜日の仕事でした。

グッと堪えて・・・。

さて、昨日は予告したように、奈良県の梅乃宿酒造さんに、
当店のお客さんお2人と、急遽blogを見て酒屋さんのお友達が参戦を表明し、4人で蔵訪問してきました。


ご覧のように、この日は快晴で実に気持ちの良い朝でした。

しかし、奈良に来ると、やはり大阪より随分寒さを感じました。

蔵には午前10時頃に着く予定で出発したんですが、結構早く着き、9時30分には蔵に到着。

ちょうどこの日は奈良県の酒屋さんのお客さんも20名ほど蔵見学に来られていて、
酒造りの現場は大賑わいと言った感じでした。

さて、まずは今日、蔵を案内して下さる梅乃宿酒造の森浦さんと高岡さんとご挨拶をし、
その後は、蔵の前にある、社長さん宅の応接間に通されました。

正直、梅乃宿酒造さんには6回ほどお伺いしていますが、
応接間に通されたのは今回が初めてで、ちょっと緊張・・・。

まずはお茶をすすりながら、お話をお伺いし、その後、蔵見学に向かいました。

梅乃宿酒造さんでは、蔵が2つの敷地に分かれていて、日本酒蔵と、出荷、貯蔵蔵になっています。

今、梅乃宿酒造さんと言えば和のリキュールで有名ですが、
以前は日本酒も和のリキュール同じ日本酒蔵で瓶詰めされていました。

そうなると、どうしても同じラインで瓶詰めする事で、
日本酒に和のリキュールの香りが移る可能性があると言うことが言われていました。

しかし、以前から最善の注意はされていたそうですが、
現在は出荷、貯蔵蔵の敷地に新しく和のリキュール製造蔵と瓶詰めラインを設け、
より品質の向上に力を入れているそうですよ。

これで臭い移りの心配も無くなり、日本酒も和のリキュールも最高の状態で製造、出荷出来るそうです。

ちょっと話が逸れましたが、まずは日本酒の行程の第一段階である、精米からの見学です。

が!先に団体さんが精米の現場を見学されていたので、急遽後回しにし、
蔵の方からの見学となりました。


蔵の入り口には兵庫県の吉川産の山田錦が飾られています。

通常の酒米に比べ、やはり山田錦は背が高く、粒の大きいのが特徴です。

通常の酒米は、山田錦の2/3程度で、山田錦は背丈の高くなる分、風害などの影響も受けやすいそうです。

更に密接して植えると栄養分が損なわれるため、間隔を開け植えるので、お値段も高いんですって。

はっきり言って、食用の最高級の魚沼産コシヒカリよりも、遙かに高いそうです。

そんな高価なお米を削ってしまうんですから、やっぱり高くなるのは当然なんですね。

と話が逸れましたが、ここからは蔵の中に入っていきます。

ちょっと見にくいですが、このような行程でお酒は出来上がります。


さて、流石に蔵の中の空気はピーンと張り詰めていて、
ここから神宿る酒が生まれるのか・・・と改めて思いました。

丁度我々が入って直ぐの米洗い場で、米洗いの真っ最中でした。


ちょっと切れてますが、奥に居るのが梅乃宿酒造の杜氏の高橋杜氏です。

梅乃宿酒造さんでは、この機会と言うか、箱にお米を入れて、水の力で米を洗うそうです。

実は米洗いは、とても重要な作業で、ここでお米の種類に合った吸水が出来るかで、
これから先の麹造りや、酒母造りにも影響してきます。

簡単に言うと、ご飯炊くときでも、
お水に漬けすぎてお水を沢山いれて炊くと、ベチャベチャのお米になりますよね。

そんな感じだと思って下さい。

ここでは、時計を見ながら、何分から米を入れて洗うか決め、カウントダウンが始まり、
米を投入後も、ストップウォッチでキッチリ時間を計りながら吸水させます。

そして時間が来たら、写真で手を添えているコックを手前に倒すと、
今度は水の勢いで、前のホースに米が流れ、袋に洗ったお米が入るシステムになっています。

その後、その袋に貯まった米を、再びホースの水で洗います。


そして洗ったお米を写真のような小さな桶に入れて、お米に水を吸わせます。

ここでも水温、気温、お米の種類で、何%吸水させると良いかを決めます。

これは、長年の勘が必要になってきます。

この日も5kgほどの袋の米を60袋ほど洗っていたと思います。


洗ったお米です。

確か雄町の45%精米だったと思います。

その後、余分な水分を遠心分離器のような機会に入れ、一気に余分な水分を飛ばします。

ここでも、重さをちゃんと量って、何%吸水しているか確認します。

確かこの後1日寝かせるはずです。

そして翌日の午前6時頃から蒸しの作業が始まります。

食用のご飯は炊くのですが、酒米は蒸します。

その蒸しが終われば、放冷機を通り、冷やされ、麹米は布袋で2階の室に運ばれ、
醪になるものは、シューターで飛ばすそうです。

そして次はこの放冷機で冷やされたお米が2回の室に向かうのですが、
その室に向かいました。


室の入口にある神棚に一礼して・・・。(すいませんピンボケでした)

お酒造りの基本であり、最も大切な行程が
「一、麹・ 二、酛(酒母)・三、造り(醪)」と言われています。

その麹を造るのが麹室です。

梅乃宿酒造さんでは、今期から麹室が新しくしなり、以前に比べ随分立派な室になっていました。

通常、蔵開きなどでは、室には入れて貰えないのですが、今回は特別に入れて貰いました。


室は3つの部屋に分かれていて、まずはこの室で最初の作業をします。

室の中は30度近い温度になっています。

ちなみに、この写真に写っているのは箱で、この中に蒸し米が運ばれてきて、麹菌を振りかけ、
麹菌が米に浸透していくのを待ちます。

ちなみにこの箱、重量が量れるようなシステムになっている最新設備だそうです。

まだまだ高価で、使っている蔵は少ないそうです。

これは今まではある意味、勘に頼る部分が多かった麹造りも、
この機械があれば重量を見て、判断出来るので、より細かい所まで気を配れるそうです。

そして、ここでの行程が終わると、次の行程に向かいます。

この奥に次の部屋があります。


ここで、麹番をしているのが、以前にもお世話になった佐伯さんです。

佐伯さんは女性ですが、麹屋と言う麹造りの責任者です。

この写真は確か特別純米酒の麹を造っている状態だったはずです。

中は湿気を保つため加湿器を回している為、カメラが一気に曇りました。

見えづらいですが、奥に積み上げられた麹箱は純米大吟醸の麹を造っているそうです。

純米大吟醸クラスは、発酵が遅いので積み上げて発酵を促すそうです。

さて、麹室を後にし、再び1回へ。

次は酛を造る部屋を見せて貰いました。


この中の小さなタンクで酒母を造ります。

ここでは速醸酛と、山廃酛を造っているそうです。

ここで出来た酒母をタンクに移し、醪を造ります。

次はタンクを見に行きました。


これは純米大吟醸クラスなどを扱うサーマルタンクと言って、
二重構造になっていて、外側に液化窒素が通るようになっていて、温度管理が簡単に出来るそうです。

このタンクがあれば、温度管理が簡単だそうなのですが、凄く高価なので、
梅乃宿酒造さんでは、上のクラスにだけ使っているそうです。


他はご覧のような解放タンクを使っています。

この反対側のタンクは、まだ米の状態も分かる感じでボコボコと発酵していました。

タンクに頭を突っ込むとガスでクラクラッとしてタンクに落ちる事故で命を失う事もあります。

実は酒造りは非常に危険な仕事なんです。

だからみんな真剣なんですよ。

と言う事で、手でタンクの香りを嗅ぐと、とっても綺麗な良い香りがしました。

蔵に入った時から良い香りがしてるんですよ。

今年はタンクで70本ほど仕込むそうです。

今年は12月が気温が高く、酒造りが難しかったそうですが、
年明けからは気温も下がり造り易くなっているそうです。

ただ、70本も仕込むので、少しでも行程がずれ込むと、春先にまでなるので、
そうなると気温も上がり、余りいい酒が出来なくなるので、時間との勝負なんですよ。

さて、このタンクの造られた醪を最後は搾ります。


通常は、機械式のヤブタと言う機械で搾ります。

この白い蛇腹の部分に醪が流れ込み、左から圧力をかけ搾ると、右側からお酒が出てきます。

その後、白い部分に板粕が残るんですよ。

この部屋は、冷蔵設備が完備されていて、安定した搾りが行える状態になっています。

そして、もう一つ槽と言う搾り方があります。


丁度この時は、裏メニューのアンフィルタード・サケ、雄町バージョンを槽で搾っていました。

こちらは布袋に醪を入れ、この槽の中に積んで行き、上から圧力をかけ、時間をかけて搾ります。

ヤブタに比べ、槽で搾ると柔らかい味わいになると言われています。

これで、一通り蔵の中を見せて貰い、もう一度先ほど見れなかった精米機を見に行きました。


梅乃宿酒造さんでは、精米機を2機持っています。

ここで米を70%に精米したり、45%に精米したりする訳です。

ちなみに45%に精米するのに90時間ほどかかるそうです。

ですので、この時期精米機は24時間体制で動き続けているそうです。

これで、一通り見学も終わり、この後リキュールの製造工程と瓶詰めラインを見て、
再び応接間に戻る事になりました。

その途中で火入れ作業をしていたので激写!


これは丁度、月うさぎの火入れ中でした。

この箱の中に60度〜65度程度のお湯が張られていて、そのお湯の中に瓶ごとお酒を漬けます。

火入れする事で、瓶の中のお酒の微生物を死滅させたり、雑菌を死滅させる効果があります。


更に、今年から新兵器の新しい火入れの機械を導入するそうです。

お酒に一番良くないのが、
ダラダラと温度を上げて、ダラダラと温度を下げるのが一番酒質を損ねるそうです。

これは急激に蒸気で火入れして、出口で急速に温度を下げれる事が出来、
理想の火入れが行えるそうです。

今は、リキュールで儲かった分を、日本酒の酒質向上にドンドン注ぎ込んでいるそうです。

日本酒と和のリキュールの蔵を別にしたり、室を新しくしたり、火入れの機械を導入したり、
日本酒の酒質向上に凄く力を注いでいるのが凄く感じられました。

さて、そして応接間に戻り、お待ちかねの利き酒です。


写真では4種類ですが、この後もう1種類お酒を入れてくれ、合計5種類のお酒を利かせて頂きました。

左から山田錦 純米大吟醸の醪、雄町 純米大吟醸の醪、アンフィルタード・サケ 山田錦、 
写っていませんが先ほど槽で搾ってた裏メニューのアンフィルタード・サケ 雄町の攻めの部分、
まもなく発売される特別純米生酒 梅の木ラベルを頂きました。

純米大吟醸の醪は、蔵内でしか飲めない特別なお酒です。

まだアルコール発酵も途中の状態ですのでアルコール感は余りなく、
でもメロンのような香りと醪独特の旨味があり、美味しかったですね。

それとアンフィルタード・サケの米違いも、とても面白かったですね。

さらに、もうすぐ発売の梅の木ラベルも味わえて凄く良かったです。

応接間の前には梅乃宿の由来となった樹齢300年の梅の古木があります。

 
この古木を見ながら飲む日本酒は格別でした。

で、この古木にも梅の実が出来るそうなのですが、
梅乃宿の梅酒には、この梅の木に出来た梅の実を縁起を担ぎ1つですが、入れているそうです。

ちょっと良いこぼれ話も聞けて良かったです。

その後も、色々と質問させて貰い、丁寧に返答頂き、本当に大満足の蔵訪問となりました。

そして、最後はみんなで記念撮影で〆です。


今回ご一緒した酒屋さんのお友達と、森浦さん、当店のお客さんと、高岡さんです。

僕自身も、お客さんと一緒に蔵に行ける日が来るとは思ってなくて、
凄く勉強になる事も多く、本当に楽しい蔵訪問となりました。

特に蔵に行きたいと言って下さったお客さんが喜んでくれるか凄く心配していたのですが、
帰りには、本当に感動してくれていたので、ご一緒出来て良かったと心から思いました。

本当にありがとうございました・・・感謝!感謝!!です。

それと色々と今回お世話になりました、
森浦さん、高岡さん、梅乃宿酒造の皆さんにも感謝!感謝!!です。

またお客さんと、こういう時間を共有出来たらええな・・・って思いました。

そして少しでも日本酒の素晴らしさがお伝え出来たらいいな・・・と思っています。

次はまずは「俺と飲む会!?」を開催したいですね。

そんな目標を頂きつつ、蔵訪問記終了です。

もし、今回ご一緒出来なかった皆さんも、少しは蔵に行った気になって貰えたら嬉しいです。

長々となりましたが、最後まで読んで下さった皆さん、本当に有難うございました。

それでは、また。